グローバル・マーケティング研究会 インテルのグローバル・マーケティング


2012年8月7日、グローバル・マーケティング研究会(明治大学経営学部大石芳裕教授主催)に参加してきました。  今回は、傳田アソシエイツ・代表取締役 傳田信行さんの「インテルのグローバル・マーケティング」と題しての報告でした。  傳田信行さんは1968年から1998年まで30年以上にわたりインテルに勤務、アメリカでの副社長を経て、インテル日本法人の社長を務められました。

報告は、インテルの創業者・経営者の理念、インテルの変遷、品質基準、Intel inside Program, インテルのビジネス戦略、販売戦略、さらにCSRといった流れに沿って、その内容は経営者としての経験、判断など深く非常に多肢に渡るものでした。  報告後の質問も途切れることなく1時間があっという間でした。

今回の報告を聞きながら、改めて考えさせられたのは、1980年代、90年代の世界標準(特にアメリカ企業を中心とした)の流れでした。

まず日本について考えると、1945年の第二次世界大戦の敗戦後、人口71百万人から1964年の東京オリンピック、1970年の大阪万博を経てバブル崩壊前の1990年に人口123百万人、この間「安かろう、悪かろう」から品質の向上に努め, “Japan as Number One: Lessons for America” がEzura. F. Vogel によって書かれたのが1979年、広く日本の経済、社会制度が再評価されました。  官僚組織、特に大蔵省や通商産業省の強い経済界に対する関与によって日本の競争力が高まっていると肯定的に評価された時期です。  トヨタのカンバン方式やカイゼン活動が注目を浴びていました。

1980年代は、クオリティ・コントロール、卓越した顧客サービス、顧客満足度の向上の時代でした。  これらが世界標準として取り上げられました。  アメリカでは1980年代半ば、ボードリッジ・クライテリア Baldrige Criteria 及びそのアワードがアメリカ・ビジネスの競争力を高めるために設定されました。  前職、アメリカン・エクスプレスで80年代後半から90年代初めによく話題にしていました。  そのボードリッジ・クライテリアの詳細につては、こちらをスタートとして知ることができます。

1990年代は、選択と集中、本業と本質的に関係ない組織は大胆にカットされました。 これに伴い、リエンジニアリング、アウトソーシング、ブランドの再構築、組織の平坦化の時代でした。 顧客満足度の向上に加えて、社員の満足度の向上が、経営者、マネージメント、一般社員までの勤務評価基準の加えられました。  組織のサイロ化が問題とされ、ビジネスの結果を出すためサイロを取り払ったチームワークの重要性が説かれました。  また、変化への対応の重要性が求められ、常にイノベイティブであれ、と説かれたのもこの時期です。  人事評価はクロス・マトリックスをベースに、上司に加えて部下、同僚、取引先を含めた360度評価となりました。  企業間のM&A も盛んでしたが、企業文化の同質性がM&A 成功の鍵と考えていました。

重要なのは、これらの世界標準基準が単発のプログラムとして消えてしまうのではなく、現在も経営の根幹として使われ、人事評価の基準として取り入れられていることです。   そのほとんどが重畳的に重なって現在も使用されています。

2000年代については、インターネット関連の発達を抜きにしては考えられません。  改めて、別に詳しくみて行くつもりです。  が、アメリカで商用インターネットが開始されたのが1988年、日本では1991年。  Windows 95 の発売(1995年)によってインターネットの利用が本格化しています。   ウェブ・サービス(WWW)は1990年に開発され、日本で利用が開始されたのは1996年。  ブログは1999年からで、WordPress は2003年5月に公開されています。  Twitter は2006年7月に発表され、2008年に日本語化されています。  Facebook は2004年にハーバード大学で利用開始され、一般公開されたのは2006年9月、日本語化されたのは2008年です。  これに2007年に発表されたiPhone , 2010年5月に発売されたiPad が新しい波を起こしています。  これらの新しい流れが、ビジネスに大きな影響を与えています。

次回のグローバル・マーケティング研究会は9月28日 「ヤクルト海外事業の再建」と題して、元ヤクルト専務取締役国際本部長 平野博勝さんの報告です。