グローバル・マーケティング研究会 クアルコムはグローバル競争を如何に闘うのか?


2013年2月22日 明治大学経営学部大石芳裕教授の主催されるグローバル・マーケティング研究会に参加してきました。 今回、第63回は「クアルコムはグローバル競争を如何に闘うのか?」と題して、クアルコム・ジャパンの特別顧問(元社長)山田純さんの報告でした。  クアルコムは、無線通信技術に関する研究開発とライセンス、半導体およびソフトウェアの販売を主な業務とする会社で、株式時価総額で2012年11月にインテルを抜き、IT(情報技術)機器の主役がパソコンからスマートフォンに移りつつある象徴的な出来事と話題になっていました。

山田純さんの報告は、会社の生い立ちからその歴史、現在のビジネスモデル、携帯電話からスマートフォンヘ、その中で起こっていること、さらに今後のクアルコムの戦略と、簡潔で非常にわかりやすい内容でした。

携帯電話からスマートフォンへ

どうしても2006年のApple iPhone の世界での発売から、 iOS とGoogle の提供するアンドロイド、メーカーとしてのApple と サムソンと言った対立軸でこれまで考えがちである「携帯電話からスマートフォンへの移行」ですが、今回山田さんのお話で明らかにされたのは、無線通信技術の進化と半導体(CPUチップ)と言った視点からのこの移行期の説明でした。 私個人的には、新しい視点が加わったことによって、より世界で何が起きているかが明らかになりました。 そしてこの世界で、かつて電機メーカーで起こったデジタルへの移行後のものすごい勢いでの商品・技術のコモデティ化が進行しています。 印象深かったのは「チップが搭載され一体形成された基盤に、カバーをつければ、それでスマートフォンが出来上がってしまいます」とそこまで汎用品でスマートフォンができてしまうようになっている現実でした。

今後の戦略、何故自らの得意分野に集中して勝負しないのか?

これについては、報告後に質問させていただきました。 歴史的に会社の生い立ちを見ても、また現在のビジネスのポートフォリオを見ても、クアルコムが無線通信技術に強みを持つ会社です。  「Apple の部品は全て特注品であるから、高い価格で納品できる」とは、2011年11月にこのグローバル・マーケティング研究会でご報告いただいたTDK多米通浩さんの言葉です。 これに対して、汎用品で製品を作っているのが、アンドロイド陣営です。 低価格化を支えに、アンドロイド製品が世界的に普及していくのが現実です。 しかし、ここで勝負していくのでは限界があります。 おそらくAppleは今後も独自の道を突き進んでいくのでしょう。 クアルコムも独自の道を進んでいくやり方があるのではないか? と考えています。

今回の研究会の様子は、グローバルマーケティング研究会のサイトの多くの写真がアップされています。 また、次回の研究会は3月22日、博報堂宇都宮毅さんの報告が予定されています。