フィリップ・コトラー

ちょうど年末にフィリップ・コトラーの私の履歴書の連載も終わります。 これまでに取り上げていないもので印象に残っているものをここにまとめておきます。

刺激を受けたのが1967年に出た「水平思考の世界」(エドワード・デ・ボノ著)だ。・・・・次の課題はイノベーティブになる組織作りだ。 いろいろな事例を考察し、「イノベーションのAtoF」をモデルにまとめた。 ・・・この「AtoF」とは、アイデアを思い付く人(アクティベーター)、本当に創造的で刺激的なモノか吟味する人(ブラウザー)、試行可能なコンセプトに変える人(クリエーター)、ビジネスモデルに発展させる人(デベロッパー)、新製品や新事業を立ち上げる能力のある人(エグゼキューター)、資金を提供できる人(ファイナンサー)だ。
イノベーションの真髄は経済学者、ジョゼフ・シュンペーターが指摘した「創造的破壊」だ。

1990年前後のことだ。・・・・会議は3部構成になっていて第一部は主要顧客3社の幹部を招き、IBMへの満足度を聞いた。 第2部は社内の支店長から本社の指示をどう思っているかを聞いた。 そして第3部はIBMの社員を主要な競争相手に見立てて、どのような戦略でIBMを攻撃してくるかを語らせた。・・・IBMの3つの議論は今でも立派に通用するはずだ。

名称は「ミュージアム・オブ・マーケティング3.0」(インドネシア、バリ島)。 カルタジャヤとの共著でマーケティングには3段階あることを指摘した書籍にちなんだ。  1.0は製品主義の時代、2.0は顧客主義の時代、3.0は世界を大切に思う気持ちを持つ時代と定義した。

空気が変わったのは04年。 経営学者C.K.プラハラードが著者「ネクスト・マーケット」で貧困層の手が届くような安価な製品やサービスを作るように訴えたのがきっかけだ。・・・・・・貧困から抜け出す処方箋を提示した「アップ・アンド・アウト・オブ・ポバティ」(邦題は「コトラー ソーシャルマーケティング」)を同僚のナンシー・リーと09年に出版した。

意識の高い企業文化を持つ経営陣と話していくうちに「資本主義は正しい選択であり、私達は資本主義をさらに優れたものにしていく必要がある」という前向きな気持になった。 そして新たな研究として資本主義の再考と解決策について執筆中である。

2014年秋、 タイ・バンコクで世界マーケティング・サミット(WMS) テーマは「新しいグローバル世界に於けるマーケティング」

(フィリップ・コトラー、私の履歴書、日本経済新聞)