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2005年06月13日

ヤマノカミ カワノカミ

群馬県 片品川 2005年6月11日

【第1章】 ファースト・ヒット

片品の女神が微笑んでくれた。

T.G.I.F.! 待ちに待った金曜日。 
9:30pm東京出発。
フライフィッシャーの義兄Sが運転するシルバーのアウディーA4が
台風が運んでくる雨雲から逃げるように雨混じり関越を時速150kmで北上する。
赤城辺りは相変わらず強烈な濃霧。 50kmの速度制限が入っている。
前の車のテールランプが全く見えない。

「雨は南のほうがひどいはずだから雨は上がるな」
「あそこは山の天気だからきっと降ってる」
「魚いるかな?」
「大増水してたらどうする?」
一向に止まない雨に一抹の不安を覚えながら頭の中のロッドはすでに大きな弧を描いていた。

沼田ICを降り、今夜のホテル「薗原湖畔」を目指す。 ここは先日フライマンU氏に教えてもらった場所。
公園には雨をしのげる屋根付き休憩所がある。 あまりの雨にテントを張るのを断念し、シュラフに包まって
寝ることにした。幸い気温が高い。 スイートルームの最上級のベンチベッド。    
『この週末も釣れなかったらどうしよう。 リベンジに来たのに…』 色んな事を考える。
屋根から落ちる雨音が大きくなったり小さくなったりするのを聞いているとなかなか寝付けなかった。

6月11日(土)4:00am
目が覚めると雨はあがっていた。 
山を見ると雨上がりの水蒸気が至る所で立ち昇っている。
薗原湖は半月前から比べると水位が10mほど下がっていて土肌が露出している。
しかも湖水は濁りが入っている。 
『とにかく釣場が見たい』 
朝食はコーヒーとバナナのみ。 早々に撤収し身支度を始める。

「ロッド、どれでいく?」
「オービスの7ft11in 3番かな」
「じゃ、俺はSAGEの8ft2in 2番で」

お気に入りのロッドにラインを通し、ティペットにパイロット・フライを結ぶ。

「12番のライトケイヒルで!」
「アダムス・パラシュートの14番でもらい!!」

今回の釣行はドライでの釣りにこだわってみたかった。
アダムス・パラシュートという何の変哲も無いフライがこのあと劇的な釣果をもたらすとは。


前回の釣行と同じコース、戸倉の堰堤上流部からスタート。
昨晩の雨の影響かこのあいだと水量は変わらない。 にごりは無いが水深があり、遡行できない。
砂で埋まった堰堤まで釣り下がるも魚の気配は全く無い。

短時間で切り上げ、次のポイントへ。 思い切って下がる事も考えたが、戸倉大橋付近が
気になり少しやってみることに。

二人並んで右岸と左岸に別れ釣り上がる。 
「出た?」
「反応無い!」
アイコンタクトでお互いの様子を伺う。

流れが複雑で速いため16ftのロングリーダー・ティペットもあっという間にドラグがかかる。
岩の後ろのたるみの部分を数ヶ所叩いた頃 最初の女神が微笑んだ。
フライが落ちたと同時に、川底の岩の間から猛スピードで水面に浮上する影を発見。
同時にフライが消えた。
多少鈍くなった反射神経が無意識のうちにロッドを立てていた。

「ヒット!!最初に頂き!!」 と叫びながら自慢に満ちた顔で彼の方を見た。 
彼のロッドも大きく弧を描いていた。
初っ端からダブルヒットとは幸先イイ。

久しぶりの感覚。 しかも瀬を上へ下へと良く走る。 コンディションがいい。
ランディングネットに収めサイズを測る。 27cmの岩魚。 ヒレピンの綺麗な魚体。
しかも何を食べているのか お腹がパンパン。
ストマックポンプで朝ごはんを拝見。 ポンプに吸いきれない位いろんなものが出てくる。
カゲロウのニンフ、ケースドカディス、スティルボーン。 
昨晩の雨でかなりの量の水生昆虫が流されているようだ。
彼の岩魚もほぼ同サイズ。 同じく腹パンであった。 
雨と曇空の影響で活性が高い。 気圧も関係しているのか?

『イケる』 そう確信した。 5mおきに魚が飛び出してくる。 ここぞと思われるポイントには
セオリー通り魚が着いている。 しかし上手く乗ってくれない。
出てくる魚に一喜一憂しながら小さな瀬を流し始めたと同時に先ほどとは明らかにひと回り以上
大きな影。 そしてゆっくりフライを咥え反転。 ロッドに重みが伝わる。『デカイ』
2番ロッドはバットから大きく曲がっている。 フッキングは完璧なはず。
ランディングネットを準備し慎重に手元に寄せる。 
あと50センチ、そう思った瞬間、ふわっとテンションが無くなる。 皮一枚だったのだ。
過信厳禁。 尺上の岩魚は何事も無かったように悠々と川底に消えていった。
思わず空を見上げた。 

午前中、20cmを追加し2本。バラシ多数。 ウグイで鍛えたはずの電撃合わせの腕が
鈍っていた。

正午頃からまた雨が降り始め本降りとなってしまった。 場所を休ませるため移動。
途中何箇所かチェックし鎌田付近まで下がる事に。
この水量と軽い濁り具合なら尾瀬クリーンセンター近くの小堰堤が連続する平瀬も期待できる。
と下心丸出しの二人は期待に胸をふくらませ、堰堤に立ち足際を攻めていく。
しかし魚に下心が伝わったのか、全く反応なし。
雨脚もひどくなり近くの公園の休憩スペースでコーヒーを沸かし時間を潰す。

4:00pm
雨が上がった。 またすぐに泣き出しそうな空は一向に明るくならない。
イブニングをどこで迎えるか思案した。 すれ違うフライマン、ルアーマンに釣果を尋ねるが
どこも出ていないようだ。
となると結論は一つ。 午前中、そこそこ楽しんだ場所に戻る事にした。
この天気なのか誰も入渓していない。 午前中釣れても夕方釣れるとは限らない。
しかし選択肢はここしか無かった。  『魚の気配がする』 直感だった。

朝と同じ場所からエントリー。 『出ろ出てくれ』 祈るような気持ちが伝わったのか
すぐに25cmの岩魚が飛び出してきた。 これが爆釣の始まりだった。

面白いくらい魚が釣れる。 この雨で魚が堰堤下の落ち込みや岩場に集まっている。
本日のラッキー・フライ、アダムス・パラシュートがボロボロなり浮力を失った。
他のフライに換えてみた。 アダムスほど反応は無い。 特にブラックボディーは極端に反応が悪い。
すかさずアダムスに戻す。 反応は戻り相変わらず釣れ続ける。

雨が味方してくれた。 フライが見えなくなった時点でタイムアップ。 
結局S氏は11尾、自分も10尾。
 
祝杯を上げた。 外で食べる焼肉が旨い! 普段あまり飲まないビールも進んだ。 
ヘロヘロに酔っ払って寝袋に直行。 心地よい疲労感。

11:50pm 就寝 
 

第2章に続く

投稿者 Matsuoka : 2005年06月13日 18:46

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