ブランド戦略研究所・東京フォーラムに参加してきました


2012年6月27日 ブランド戦略研究所の第一回東京フォーラムに参加してきました。  関西大学商学部陶山計介教授がこれまでの活動を基礎に、今年設立された一般社団法人ブランド戦略研究所の東京での第一回フォーラムです。

テーマは2つ。 一つは「三菱食品の取り組むライフスタイル・マーケティング」と題して、三菱食品リテールサポート本部、本部長研R-プランニング部長、原正浩さんの講演。  2つ目は「グローバル・マーケティングとブランド」と題して、いつもお世話になっているグローバルマーケティング研究会・主催者、明治大学経営学部大石芳裕教授の講演でした。

三菱食品の取り組むライフスタイル・マーケティング

POS情報を個人に紐付けし、クラスター・アナリシスをベースに個人のライフスタイルを分析、新しい顧客層、その行動傾向を明確にすると共に、それを売り場作りなどにも反映していこうとする新しい試みについてのお話でした。  小売・流通業の悩みも含めて、新しい試みを興味深く聞かせていただきました。

グローバル・マーケティングとブランド

日本企業の問題点に踏み込まれた後に、マーケティング上の問題点として、ターゲティング、知覚品質、複合化戦略について、独自のグローバル・マーケティング及びブランド論を展開。  普段からグローバル・マーケティング研究会でそのお考えに接しているとはいえ、非常にすんなりと染みこんでくる理論でした。

ブランド戦略研究所

今年から一般社団法人として活動を開始するとのこと。  これまで、関西、小売、流通業を活動の基盤として、そのVision において、ブランドを中心に「経営」「マーケティング」「知的財産」の三位一体を目指しています。  このVision がどのように浸透していくか、今後の活動を期待して見ていきたいと思っています。

グローバル・マーケティング研究会ー中国における資生堂のマーケティング戦略とプロモーション活動


昨日、2012年6月20日 第55回グローバル・マーケティング研究会(明治大学経営学部大石芳裕教授主催)に参加してきました。  今回は、資生堂中国事業部事業推進部の大田正人さんの「中国における資生堂のマーケティング戦略とプロモーション活動」と題してのご報告でした。

6月にしては8年ぶりという台風4号の関東地方への接近。  大したことはないだろうと、御茶ノ水に出かけたのですが、意外と接近の速度も早く、報告後の質疑応答もそこそこ、また研究会後の懇親会も公式には中止で、私も研究会が8時に終了した後、濡れながら自宅へ向かいました。  その後、どんどんと風が真夜中まで強くなりました。  そんな中、150名近くの方が研究会に集まったとのことです(主催者報告)。  皆さん熱心です。

今回の太田さんの報告、
まず、資生堂中国事業の歩みについて概説された後、
中国事業全体概要
マーケティング戦略
プロモーション活動
事業基盤としてのCSR活動
そして、資生堂のコーポレートスローガンである「一瞬之美、一生之美」と続きました。

今回印象に残ったのは、資生堂の一つの転機と説明されていたところで引用されていた「水を飲む人は井戸を掘った人を忘れない」です。  最近幾つかのところから、この言葉がちょうど聞こえてきていました。

中国北京で10年以上ビジネスを続けている柳田洋さんは、「中国自動車産業物語」を中国人が語るときに、よく話してくれる内容として「やっぱり、中国人は最初に井戸を掘った人を大切にするんですよ」とのことです。  これは非常に納得できます。  「中国の人が、自らを語るときに、私たちは井戸を掘った人を忘れませんよ」 という訳です。

中国でビジネスをやっていくためには、政府要人や政府機関とどのように関係を築いていくかが重要です。  中国の別な格言として「上に政策あれば、下に対策あり」というのもあり、中国の人々は現実社会の中でしっかりと対策を講じて生きています。  中国でビジネスをやって行くには、どちらかと言うと、このような対策を講じるのが現実的であるし、必要ですね。

他にも、最近、ますます速度を上げてきている中国の変化に対応する資生堂の幾つかの事業が、ここ数ヶ月の間に実施されようとしている点や、資生堂のプロモーションに見られる現在の中国の芸術家、クリエーターのレベルの高さなども印象に残りました。

次回のグローバル・マーケティング研究会は7月5日、シャープ常務林元日古さんの報告です。

グローバル・マーケティング研究会ーサムスンのグローバルビジネスと競争力

昨日、2012年5月14日は第54回グローバル・マーケティング研究会に参加してきました。  明治大学経営学部大石芳裕教授が主催される研究会で、今回は「サムスンのグローバルビジネスと競争力」と題して、サムスンSDI の佐藤登常務の報告でした。

佐藤登さんのお話は明快でわかりやすく、引きこまれて1時間を超える報告を聞きました。  が、改めて資料を読み返してみると、その内容は詳細で具体的ものと、マクロ的な産業界、世界の分析、双方が含まれていて、その内容が充実していたのに驚かされます。

今回特に印象に残ったのは、サムスンの変化の速さを支える意思決定の方法とその組織

例えば、各社にある戦略企画室と会社経営陣による経営判断、また各社の経営判断とグループ全体の未来戦略室での判断、一切矛盾はなく、その責任の大きさ、重さにおいて、統一した判断がなされている、とコメントされていました。  「むしろ大きな組織統合などは、戦略企画室なしでは、調整、決断できない」と加えられていました。

現在、一つの帰結であるマトリックス的組織。  「良い点、悪い点あるが、現在唯一効果的な組織構造である」と私の前職、アメリカン・エキスプレスでも評価されていました。  例えば、地域、事業部、これに戦略企画室やプロジェクトなどが加われば、上司に報告すべきレポートラインも3本、4本が当たり前になって来ます。  そこで矛盾を来さないようにするためには、各自の責任が明確に規定されていることが必要です。  一番明確なのは、責任判断の基礎となる決済できる金額でしょう。  これに責任の裏返しですが、結果に対する評価。  これが、自分の100%のタスクに対して、40%地域、30%事業部、20%戦略企画室、10%プロジェクト、などと予め合意された上で、事前に公開された客観的な基準で評価されることが必要です。  これまで何度か書いていますが、このタスクに対する評価と、リーダーシップに対する評価が合わさって、各自の年俸やインセンティブが最終的に決定されます。

各国の現地法人と本社の判断の矛盾についても質問がありましたが、責任の範囲が事前にちゃんと設定されていれば、各国はその責任範囲で決済できるし、それを超えるものについては本社の判断を仰がなければならない、と判断の矛盾は起こりません。   日本企業の判断の遅さの原因の一つに、現地法人で決済できる金額が明確で無い為に、すべての判断を本社に仰がなければならない、といった話は、よく耳にします。  日本企業がグローバルに展開し、決断を早めるためには、克服しなければならない点です。

実際に、サムスンSDIの常務であり、かつ戦略企画チームのメンバーでもある佐藤登さんのお話は、この点でも説得力がありました。

他にも、これからの社会の見方、サムスン文化、サムスンの強点分析、弱点分析など印象に残る内容が満載でした。

次回グローバル・マーケティング研究会は、2012年6月19日 資生堂 中国事業推進室部長 大田正人さんの報告です。

 

ミズノの中国市場での展開事例・グマ研

2012年4月20日 第53回グローバル・マーケティング研究会に参加してきました
この研究会は、明治大学経営学部大石芳裕教授が主催され、
来るもの拒まずの精神で、無料で参加できる研究会です

今回は、ミズノ株式会社北野周三(常務取締役)さんの
ミズノの中国市場での展開事例、と題しての
非常に中身の濃い報告でした

まず、自己紹介で中国市場に20年にわたって関与されてきたこと、
さらにミズノの会社概要
中国現地法人設立時の事例
販売開始から北京オリンピックまで
北京オリンピック以降
今後目指す方向
カントリーリスク
成功要因
失敗要因
20年担当して想うこと
そして、これから
と、多彩な内容を豊富な資料・データと共にご報告頂きました

1時間の報告の後、一人一問と限られながら
参加者からの質問がその後1時間
非常にグマ研らしく活発に議論が続きました

今回特に印象に残ったのは、
改めて中国の変化が加速しているということ

まだ記憶に新しい2008年8月の北京オリンピック
そして2010年5月の上海万博
かつての日本(東京オリンピック1964年、大阪万博1970年)がそうであったように
このあとに、さらなる高度成長が中国でも始まる、と誰でも考えていました
今回の発表も北京オリンピックを一つの区切りとして報告されていましたので
ミズノの業績も、オリンピック以降格段に伸びていると期待していました
が、現実はミズノはその後ネガティブ・スパイラルに陥ってしまっています
あまりにも変化の早い中国の経済成長にすべてが追いついていけなくなる
そんな現実が、日本企業に突きつけられています

様々な要因を分析されていますが
決して宣伝力がなかったわけでも、
マーケティング費用がなかった訳でもないと思います
しっかりと中国市場の変化を見つめて
それ以上の速さで決断して行く組織でないと変化についていけない
ダーウィンの進化論は、ネットでは「変化していくものだけが生き残る」と理解されています
中国も高速交通網が凄い速さで整備され
ネットが普及し、消費のは90年代世代、80年代世代が中心となって支えています
また、ここ数年マーケティングのコストは劇的に安くなっています
いわゆるそれまでのマス・マーケティングの比較して
安く、効果的にマーケティングを行うことが可能になっています

このような変化を企業としてどのように取り込めるか
すべてをグローバルな基準に照らして変化していけるか
これが、グローバル・マーケティングの現在のテーマとなっていると考えています

次回のグローバル・マーケティング研究会は
5月14日月曜日に予定されています
佐藤登さん(サムスンSDI 常務取締役)のご報告です

Foodservice Consumption Around the World グマ研

2012年3月13日 明治大学経営学部大石芳裕教授が主催される
グローバル・マーケティング・研究会に参加してきました
今回の報告は”Foodservice Consumption Around the World”
と題して、NPD Japan の Bob O’Brien さんの報告でした

グローバルに継続している(日本は2003年から)調査結果を元に
グローバル・フードサービスの業務拡大について
大市場
開発途上マーケット
グローバル・テーストはあるのか
その成功と立ち向かうべき困難、について概観されていました

世界11各国に関する横断的な調査を
長年にわたって検証することによって
普段のどちらかと言うと短絡的な、アドホックな調査には見られない
非常に貴重な横断的かつ経年的な変化をも浮き彫りに出来る
調査結果と、納得の行く分析・評価でした

一つ印象に残ったのは、日本人が意外と外食していること
これまで、中国系の人々がその習慣として共働きが多く
朝食を含めてほとんどが外食、との認識を持っていました

が、この調査によると年間の日本人の外食回数は
中国での調査と比較して1.6倍となっています
あれぇ、とも思いましたが
調査手法がしっかりしていること
また、考えてみると朝食をマックなどでとったり
サラリーマンはお弁当だったり、レストランでの昼食
夜は夜で勤務先の同僚と飲みに行ったり
奥様方は、仲間とレストランで昼食をとり
週末は家族で近所のレストランへ行く
これらを考え合わせると、中国の1.6倍も有りかな?と思えてきました

シエスタが有り、ほとんどが昼食を食べに家に帰るであろう
スペインと比べると日本は2.5倍となっています
勤務先が家から離れている、などの日本の事情も
その理由の一つでしょうか?

次回のグローバル・マーケティング研究会は
4月20日 ミズノ常務取締役 北野さんによる報告です